カトリック教会での信者の葬儀はミサの中で行われることが殆どですので、通常「葬儀ミサ・告別式」と呼ばれています。
従ってカトリック教会で行われる葬儀の式順は、ミサ(ことばの祭儀+感謝の祭儀)⇒告別式⇒葬送・出棺となります。
ミサはカトリック教会の祈りの中で最も格式のある祈りですから、亡くなった方のためにミサを捧げその中で祈った後お別れをするというのは、教会としては当然のことです。しかし、葬儀式場が教会ではなく別の場所であってミサを行うことが難しかったり、また遺族や参列者の中で信者がごく少数の場合など、ミサではない方が適切だと判断された場合には、ことばの祭儀による葬儀となります。
ミサは、ことばの祭儀(前半)と感謝の祭儀(後半)から成り立っていますので、ことばの祭儀による葬儀の場合、感謝の祭儀の部分が省略されて告別式に入ります。
告別式では、司式者が短いことばで「祈りへの招き」を行った後、柩への灌水、献香(聖水と香の降り注ぎ)をして祈りを捧げます。それから弔辞、弔電代読、献花もしくは焼香、遺族(親族)代表のあいさつと進みます。
※事情によっては弔辞、弔電代読は省略される場合もあります。
鹿児島市内教会での葬儀では、遺族(親族)代表のあいさつのあと司式者(司祭)が葬送のことばを述べて退堂し、出棺の準備に移ることが多くなっています。また、出棺準備では遺族・親族が柩の周りに集まって最後のお別れを行う時間をとり、その間に参列者は静かに退席し、霊柩車の近くへ移動し出棺を待ちます。
出棺のため柩が祭壇の前から動き始めたら、カトリック聖歌660番「神ともにいまして」を信者の皆さんで歌いながら送ります。
神ともにいまして
ゆく道をまもり
あめのみ糧もて
ちからを与えませ
(おりかえし)
また会う日まで
また会う日まで
かみのまもり
汝が身(ながみ)を離れざれ
荒れ野をゆく時も
あらし吹くときも
ゆくてをしめして
たえずみちびきませ
(おりかえし)
御門に入る日まで
いつくしみひろき
みつばさのかげに
たえずはぐくみませ
(おりかえし)